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火曜日、6時半に起床。うどんを作るも味が全くせず、麺も伸びて美味しくない。調理にとても時間がかかってしまった。これならばご飯にのりたまをかけた方が良かった。朝と夜のどちらが好きかと言われれば朝と答えると思う。夜ずっと作業したり喫茶店で過ごしていると好きな朝になる。みんなが起きている時間に寝て、みんなが寝ている時間に起きていたい。目が覚めると夕陽が広がっていて、そのまま東から色が深くなっていって、薄暮の中から星が瞬いて暫くすると月がよっこらせと出てきて、それらを眺めながら朝食を食べて部屋で仕事をするんだ。もちろん、誰かとお茶をするなら昼じゃないといけないのだけど、その時は徹夜するか少し寝て行こう。

余裕がある時は駅間の広い電車に乗ろう。到着したところで眺めの良いビルを階段で登るんだ。登っていくと窓からどんどん雲が近くなってきて、とうとう下が見えない遥か天空で、辺りは一面の雲の地面が、空には真っ青の海が広がっている。突然現れた重い扉を開くと、自殺した伯母が絵を描いていた。「ここは素晴らしいの。静かで、空気も澄んでてね。私、ここにこれてほんとに良かった。」とカンバスから顔も上げずに独り言のように言って、それを聞くとゆっくりと床が動き出して、私は伯母の背中を見つめたまま扉の外に運ばれて、いつの間にか行きの電車に乗っていた。電車のリズムは規則的に私の心臓に合わせて動いていて、ああ次電車が停まると私は死んでしまうのだなとぼんやり思いながら窓から外を眺めた。空は墨汁をこぼしたように暗いのに昼のようにものがくっきり見えた。電車に客は誰もおらず、電気もついていなかった。車掌がやってきて通り過ぎたと思うと、また戻ってきて、通り過ぎて行った。電車が広い川に差し掛かった時、長い鉄橋の上でゆっくりと電車が速度を落とし始めた。心臓が遅くなるのを感じて焦り、別の電車はないのかと窓をきょろきょろ見ると、川の先に広がる海に巨大な月が空に昇ることなく沈んでいた。これしかないと思い窓を開け、飛び出した。川に着水すると同時にとんでもない勢いで沈んでいき、見慣れた街が見え、まるで空から墜落しているようだと思った。上を見ると月が出ていて、星が瞬いていた。ぐんぐん街が近づいてきた。飛んでいるようで気分が良い。

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