45

土曜日、朝7時に起きる。前日にビールと日本酒とワインを飲んだのに二日酔いはなく少しだるいなという感じだった。用事があるので急いで準備し、外出。明るい土曜日だった。日がまだ昇りきっていない休日の朝は爽やかでとても愛おしい時間だと思っている。ゆっくり歩きながらゆっくり呼吸をし、海に行きたいと思った。地下鉄にはちらほら出勤の人がいて空いているという感じではなかったが、のんびりした雰囲気だった。目的の駅に到着し、歩く。汗がじんわり出てきた。広い道なのに人も車もいなかった。広くてまっすぐな道に自分だけで神秘的な気持ちだった。視界の隅に何かが動いたので見ると、子猫が2匹遊んでいた。

どうやら約束の日を間違っていたようだ。約束は明日だった。よくあることだと思いながら来た道を戻る。このまま喫茶店に寄ろうかなと思ったが荷物があるのでまっすぐ家に帰ろうと思った。地下鉄でぼんやり座っている時、喉が悪いことを思い出し、耳鼻科に向かう。1時間半ほど待合室で座っていた。診察室から子供がこの世の終わりを思わせるような悲鳴で泣いていた。幼稚園の頃、耳鼻科で大泣きをしながら恐ろしく苦い薬を舌の奥に塗られたのを思い出した。あまりの苦さに会計をしていた母の服で舌をぬぐっていた。そして、別の日に、姉が鼓膜を破った時、何やら恐ろしい器具で治療されていて、ここは恐ろしい病院だとしか思えなかった。その病院は個人病院なのだけど、待合室がとても広かった。クリーム色の壁に薄い緑のソファがあった。治療が終わるとストリートファイターのカードをくれた。ゲームを持っていなかったのでその時は何のカードか分からず嬉しさは特になかった。その病院は取り壊されて賃貸のアパートになっている。

やっと名前を呼ばれて治療はすぐに終わった。毎年、季節の変わり目に起こるものだから、いつもの薬を出してもらうだけなのだ。スーパーで炒飯を購入し家に帰った。食後に眠くなって昼寝をした。夢を見た。怖い夢だった。私がベルトコンベアのようなものにのってどんどん友人から離れていく夢だった。ただ小さくなる友人を見つめていた。起きると18時を過ぎていた。少しボーッとして、シャワーを浴びて歯を磨いた。お腹は減っていなかったので楽器を持ってカラオケに行った。子連れがたくさんいた。3時間ほど練習し歩いて帰る。夜道は気持ちがいい。歩きながら、飲んだ時の会話を思い出して恥ずかしくなった。ぎゅっと目を瞑り、虫の鳴き声と川のせせらぎに集中して、そのまま歩いた。目をあけると、目を瞑ったまま交差点を歩いていたことに気が付いた。家族はもう寝ていた。鍋のカレーを温め、少し食べた。

広告を非表示にする