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 不安定な天気が続く。土日と演奏会が続いた。聴く方なので特にプレッシャーはないのだけど、日曜の演奏会は知り合いに会うのではという恐怖感があって、演奏開始ぎりぎりまで会場の周りをぐるぐるしていたし、椅子に座らず、ホールの後ろに立っていた。

 土曜の演奏会ではチケットを売る仕事をしながらタダで聴いていた。叔母が来たらしいのだが全く気が付かなかった。叔母は私が小学校1年か2年の時に会ったきりだ。その時は火星人と自称する旦那といた。狭いスポーツカーに乗せてもらい、夕方、山の中にある墓に向かった。電気グルーヴのシャングリラが流れていて「君とキス、キス、キス...」という歌詞がずっと頭に残っている。叔母は旦那と色々あったり、過去のことで苛まれたりであまり部屋から出たがらないし、人にも会いたがらないと叔父から聞いていたので、演奏会に来ていたなんて意外だった。受付は私だけだったので、恐らく会って業務的な会話もしたのだろう。会場に来ていたお客の顔をできるだけ思い出してもどれが叔母なのかさっぱり分からない。向こうは気づいていたのだろうか。

 

 生の演奏を聴くと、その演奏の良さは別にして自分も演奏したいなという気持ちになる。ソロの演奏を聴くとソロでしたいなと思うし、楽団の演奏を聴くと合奏したいなと思える。良い傾向だ。あとは練習すれば良い。

 

 「アナーキーになれ」と言われた。アナーキーの意味はよく分からなかったので言われた時は荒木 経惟の顔が浮かんだ。反抗したいという気持ちはいつもある。でもそれが爆発するのは一人の時だけ。あとから思い出して、あれは違うとなるし、その場で怒らない自分を見て怒る。他人はいつも正論を言っている、とその時は思ってしまう。運良く殺してやるという強い気持ちになっても急ブレーキのようなものに阻害されて「相手が正しいのではないか」と頭の中で声が響く。他人を前に少しでも反抗の意志がでるのなら良い方だ。多くの場合(お酒が入ってない時)はもう完全に萎縮している。静かな怒りを手にいれたいがそれを手にいれるには烈火の如く怒る時のエネルギーが必要な気がする。

言い争いは怖い。だから知らないふりや何も考えてないふりをする時がある。勿論、ホントに知らないことのほうが多いのだけど。知らないと相手は諦めるのだ。そういう態度を取るときがめちゃくちゃ嫌だ。嫌々ながらあらゆる利害を高速で天秤にかけて、選んでいる。姑息だ。腹の底で正確に刻むリズムのような思想が人を強くするのではと今日思った。

何の話だっけ。アナーキーか。アナキストアナキズム。人の反対を選ぶこと。右向け右と(思想の右という意味ではない)言われたときに正面向き続けること。

「かへらないことが最善だよ」